血管に起きる病気を血管病といいます。血管病には、動脈硬化により血管が詰まる病気と、こぶ(瘤)のように拡張する病気があります。大動脈瘤は心臓から全身に向けて血液を送り出すパイプの役目を果たす大動脈の壁の一部が瘤のように膨らむ病気で、お腹の周りにできたものを腹部大動脈瘤といいます。
大動脈瘤が破裂するまで自覚症状はほとんどありません。破裂するときには、激しい腹痛や腰痛などが起こります。
診断では、腹部超音波検査が行われます。
大動脈瘤は必ず大きくなり、自然に小さくなることはありません。
主な原因は加齢、喫煙、高脂血症(脂質異常症)などです。
大動脈瘤そのものを治す薬はありません。大動脈瘤の拡大速度を遅くするために、降圧剤で血圧をコントロールします。そのうえで、定期的に検査を受け、動脈瘤の大きさや大きくなる速度などを診ていきます。
大動脈瘤の大きさやできた場所によりますが、通常、大動脈瘤の直径が5cm以上になると手術による治療が検討されます。
自覚症状がなくても、大動脈瘤の直径を測る予定日には必ず受診しましょう。
血圧が上がってきたときは、早めに医師に相談してください。
腰痛や腹痛は破裂の兆候の場合があります。早めに受診しましょう。