慢性腎臓病(以下、CKD)は、腎臓の働きが低下したり腎臓に傷害のある状態が3カ月以上続いたときに診断されます。放っておくと徐々に腎臓の働きが低下する危険があります。CKDは世界的に増えており、日本でも7~8人に1人がかかっているといわれています。

CKDは様々な原因があり、加齢、高血圧、肥満、脂質異常、糖尿病、メタボリックシンドローム、喫煙などの悪い生活習慣によって発症する人が増えています。また、腎臓固有の病気でも加齢や悪い生活習慣により悪化します。症状が進行すると腎不全となって、透析や腎移植といった腎代替療法が必要になったり、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患の危険が高まります。

CKDは、早い段階からきちんと対処すれば進行を防いだり治すことが可能です。腎臓固有の病気では腎臓専門医による治療が必要になります。加齢や生活習慣に関連したCKDでは、生活習慣の是正や悪化要因に対する治療が必要になります。

CKDの治療は継続することが大事です。大半の方は自覚症状がないため、受診をやめてしまったり、服薬を守らないことが多いとも言われています。しかし、自己判断は禁物です。腎臓専門医やかかりつけ医にしっかりと通い、必要な薬はきちんと服用しましょう。また、生活習慣の改善は継続しなければ意味がありません。ご自分の生活を振り返り、良い習慣は継続し、悪い習慣は改めるようにしましょう。

医療機関への受診は指示されたとおり、定期的に行ってください。CKDは自覚症状がないため、尿や血液の検査値の意味を知り、その動きをご自分でも把握しておくことが大事です。

管理栄養士に相談しながら、指示された食事内容に近づけるようにしましょう。

処方された薬は指示されたとおりに服用しましょう。医師は患者さんの状態を診て、薬の量や種類を調整していきます。

体調の悪いときには中止しなければならない薬もあります。医師から話をよく聞いておくことが大事です。特に、血圧を下げる薬は、体の水分が不足すると、血圧が下がりすぎたり、腎臓の働きが急激に低下することがあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 医療機関に指示されたとおり通いましょう。
  • 内服は指示されたとおりに続けましょう。
  • 良い生活習慣を続け、悪い生活習慣は改めるように心掛けましょう。
  • 適正な体重を維持しましょう。
  • 適正な食事療法を続けましょう。
  • 自分の判断で、通院や服薬を調節することはやめましょう。
  • 極端な食事療法は避けましょう。
  • 喫煙はやめましょう。
  • 飲酒は1日1合までに抑えましょう。
  • 暴飲暴食は避けましょう。