慢性腎臓病や透析を受けている患者さんにみられる疾病です。

腎臓はカルシウムとリンのバランスを保つ、重要な働きをしています。慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常は、腎臓の機能が低下してカルシウムとリンのバランスが崩れ、骨折しやすくなる病気です。

進行すると血管の石灰化(血管の線維が固くなる)が進み、心筋梗塞や脳梗塞などの病気の引き金にもなります。

骨が折れやすくなる理由の一つが二次性副甲状腺機能亢進症です。頸部の副甲状腺からホルモンが多量に分泌され、骨がもろくなる病気です。

透析を受けている期間が長くなり、二次性副甲状腺機能亢進症が重症化した場合は、手術により副甲状腺を摘出する場合があります。

慢性腎臓病や透析治療を受けている患者さんの場合は、定期的にカルシウムやリン、副甲状腺ホルモンなどの血液検査が行われます。この検査結果に応じて、リン吸着薬、活性型ビタミンD製剤、カルシウム受容体作動薬などの薬剤が投与され、骨・ミネラル代謝異常のコントロールが図られます。

副甲状腺の状態を調べるために超音波検査が行われることがあります。また、血管石灰化の程度を調べるために、いつものX線検査に加えてCT検査が行われることもあります。

治療上大切なことは、十分な透析を受けること、処方された薬をきちんと内服することです。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • リンがたくさん含まれる乳製品や小魚、食品添加物を含む加工食品などの摂取は控えましょう。