腎臓のろ過装置である糸球体に急な炎症が起こり、蛋白尿や血尿、貧血などを発症し、腎機能が急速に低下して腎不全に進行する病気です。糸球体に半月体という細胞が増えることから壊死性半月体形成性糸球体腎炎とも呼ばれます。

毎年1,500~1,800人が発症し、腎生検件数の約5%を占めます。人工透析に入る原因となる腎臓病のなかでは5番目に多い病気で、中高年の女性にやや多く見られます。発症年齢の平均は64歳です。

早期に発見して治療を開始すれば、病気の進行を食い止めることができます。

腎臓だけでなく全身にも強い炎症が起きるので、副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤などで治療します。症状が強いときにはステロイドを大量に投与する治療法や、血液成分を交換する血漿交換治療を行います。

腎不全が進行した場合には一時期、血液透析を行います。治療効果があれば血液透析を中止することができます。腎不全の発見が遅れると、継続的な血液透析が必要になります。

経過中に肺出血を起こし、酸素投与などの呼吸管理が必要になることがあります。

処方された薬剤は欠かさずに服用し、薬剤による合併症や感染症の予防を心がけましょう。いったんよくなったあとに病気が再び悪くなった(再燃)場合には、早く発見して治療することが必要です。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 急性期は蛋白質や塩分の摂取を控えましょう。しかし、カロリーを減らしてはいけません。尿量が減少しているときは水分も制限しましょう。