IgA腎症は、腎臓のろ過装置である糸球体に炎症が起きる糸球体腎炎の一つで、腎生検で、糸球体のメサンギウムという領域に免疫グロブリンの一つであるIgAの沈着が認められたときに確定診断となります。今のところ病気の原因ははっきりわかっていません。
腎生検は入院して受けます。
緩やかに進行していく病気で、20年を経過したところでは、40%が末期の重い腎不全になるといわれ、透析が必要になります。しかし、残り60%は、自然に治る(自然寛解)ことも多く、治らないにしても軽度の蛋白尿や血尿だけで腎機能のそれ以上の低下はみられません。
定期的な外来通院では腎機能、蛋白尿の検査が行われます。
高血圧や正常高値高血圧が認められる場合は降圧薬を服用します。
検査結果や腎生検で重症とみられる場合は免疫抑制療法(ステロイド療法)を含む治療を行います。感染症などの合併症がある場合も入院治療します。
それ以外は、予後を推定しながら、生活習慣を見直し、食事療法を行います。
薬の服用により異常が現れた場合は、自分で中断したり薬の量を調節したりせずに、必ず再受診して医師と相談してください。