腎性貧血は、腎臓機能の低下によって起きる貧血です。腎臓機能が低下すると腎臓でつくられる赤血球の産生を促すエリスロポエチンというホルモンが低下し、血液中の赤血球の数が減少し、酸素を運搬するヘモグロビン(Hb)が低下する腎性貧血が起こります。

腎機能が正常の60%未満になると腎性貧血の症状が現れ、30%未満ではほとんどの人が腎性貧血状態になります。

症状としては、全身のだるさ、労作時の息切れ、動悸などがみられ、なんとなく元気が感じられません。

腎機能の低下とヘモグロビン値の低下から腎性貧血と診断します。60歳未満ではヘモグロビン値が、男性で13.5g/dL未満、女性では11.5g/dL未満、60歳以上であれば、男性で12.0g/dL未満、女性で10.5g/dL未満であれば腎性貧血と診断します。

治療は、エリスロポエチン産生刺激因子製剤の注射を定期的に行います。まだ透析にまでは至らない保存期腎不全の場合は、2週間~1カ月に1回、皮下注射をします。透析治療を受けている場合は、短い作用時間の薬なら週に1~3回、長く効く薬なら2週~4週に1回、血液透析回路から静脈注射(静注)します。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 貧血をチェックした際、自分のヘモグロビン値を覚えておきましょう。
  • 薬剤により血圧が変動することがあるので家庭血圧をチェックしておきましょう。
  • 薬剤の副作用により、頭痛が生じることがあります。この場合は医師に相談しましょう。