くも膜下出血は、脳を覆うくも膜の下の脳脊髄液に出血する病気です。主な原因は脳動脈の破裂です。

くも膜下腔への出血によって髄膜刺激症状が生じ、頭蓋内圧亢進によって頭痛、嘔吐、意識障害などの症状が出ます。

半数以上が死亡や重度障害を残す重い緊急疾患です。特に予後が不良なのは、破裂直後から重症な場合、再出血を認める場合、症候性脳血管攣縮(脳の血管が収縮して血流が悪くなる)を起こしている場合です。

頭部CTや脳血管造影検査を行い、脳動脈瘤の診断後、再出血の予防を早急に行います。

未破裂脳動脈瘤で、10~15年の余命が見込まれる場合は、動脈瘤の大きさや部位により破裂予防処置をすることがあります。専門医に相談することをすすめます。

再出血予防処置には、外科的な開頭脳動脈瘤頸部クリッピング術や血管内治療の脳動脈瘤塞栓術があります。

重度の出血の場合は、保存療法を行って、改善するようなら、再出血予防処置をします。

予防処置後も、遅発性脳血管攣縮や水頭症などの注意が必要です。特に遅発性脳血管攣縮は重度の後遺症や死亡につながることがあります。

その他、呼吸器系、循環器系の合併症も多く、それらによって予後不良となることもあるので、管理が重要です。

経過観察となったときも、定期的な画像フォローを受け、破裂リスク低減に努めましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 高血圧は内科に通院し、血圧のコントロールを徹底しましょう。
  • 喫煙・飲酒は極力控えましょう。