一過性虚血性発作(TIA)は、脳梗塞の前触れ症状で、危険な警告です。脳梗塞と同様の症状が短時間(通常は30分以内)続き、自然に消失します。
TIAが現れた人の10~15%が、3カ月以内に脳梗塞を起こし、その半数は48時間以内といわれています。TIAが疑われたら、すぐに専門病院を受診してください。
TIAはまだ体が不自由でなく、介護も必要でない状態での最後の警告で“がけっぷち警告”と呼ばれています。事の重大性をよく認識し、検査・治療に当たりましょう。
入院後、さらに詳しい検査と脳梗塞予防の抗血栓療法、危険因子に対する治療を行い、その後は退院して定期的に通院し経過を観察します。
専門病院では、その日のうちに検査、脳のMRI、血管の検査、心電図、血液検査などを行って危険度を評価します。本物のTIAであれば再発を防ぐために入院が奨められます。
TIAの症状がすぐに治まっても放置せずに、速やかに専門医療機関を受診しましょう。
処方された薬は、脳梗塞を未然に防ぐためのものです。症状がないからと自己判断で飲むのをやめることはしないでください。
高血圧や糖尿病、肥満など血管危険因子を知り、定期的にかかりつけ医を受診しましょう。