脊髄は背骨の中に収められた神経線維の束でできている器官です。脊髄梗塞は、脊髄に栄養を与える動脈がふさがれ、神経がおかされる病気です。運動神経がふさがれると手足、特に足が麻痺します。感覚神経が障害を受けると、温度感覚や痛感が損なわれます。自律神経がふさがれると排尿・排便のコントロールがうまくいかなくなります。

この病気は、血管の手術や検査にともなって生じることがあります。手術や検査以外では、動脈硬化により脊髄の血管が詰まったためと考えられます。

今のところ、確立した治療法はありません。脊髄のむくみをとる薬や脊髄を保護する薬を投与します。

後遺症が残った場合はリハビリテーションを中心に、機能を回復させると同時に、残された機能を最大限生かす治療を行います。

重度の場合には、車いすの生活になることもあります。

動脈硬化が原因と考える場合には、生活習慣の改善を心がけましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 塩分は1日6g以下に抑えましょう。
  • 暴飲暴食を避け、1日ビール1本、日本酒1合以内に節酒しましょう。
  • 野菜や果物はしっかり取りましょう。
  • バター、牛乳、卵など脂肪やコレステロールの摂取を控えめにしましょう。
  • 毎日散歩をするなど適度な運動を習慣化しましょう。