未破裂脳動脈瘤とは、脳血管の一部が風船のように膨らんでこぶ(瘤)となったものです。成人の2~5%にみられます。

症状は、ほとんどの場合ありません。薄くなった動脈瘤の壁が破れる場合がありますが、その確率は高くありません。

未破裂脳動脈瘤が破裂した場合は、くも膜下出血になります。突然、今まで経験したことがない激しい頭痛が生じます。

診断をつけるためには、血管を詳しく見る頭部MRA検査を行います。この検査だけで十分でない場合には頭部3D-CTA検査や脳血管撮影を行います。

診断確定後、動脈瘤の大きさや部位、形、全身状態から判断して、経過観察するか、予防的手術を行うかを決定します。

予防的手術には、開頭術(動脈瘤をクリップで遮断するクリッピング術)と血管内治療(プラチナ製のコイルを動脈瘤内に詰めるコイル塞栓術)があります。

治療法は、予想されるこぶの破裂率と治療に伴うリスクを考えて判断します。ただし、判断は非常に難しく、複数の専門医の意見を聞いてみる必要があります。

経過観察の場合は、定期的に画像検査を受けます。

突然激しい頭痛が生じたり、片側のまぶたが下がったり、物が二重に見えるといった症状が出たときには、緊急に受診しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 禁煙を守りましょう。
  • 大量の飲酒は控えましょう。
  • 高血圧がある場合はその治療をしましょう。