大脳皮質にある神経細胞に過剰な放電が起こると、さまざまなてんかん発作を起こします。てんかん発作=けいれん発作と考えがちですが、けいれん発作がないてんかん発作があります。このタイプを非けいれん性てんかん発作(NCS)といい、NCSがある程度の長さ以上続いたり、反復して起こる場合を非けいれん性てんかん重積状態(NCSE)と呼びます。
NCSEの症状として、一点凝視、反復性のまばたき・咀嚼(そしゃく)・嚥下運動、同じ言動を繰り返す自動症などが従来知られていました。
1990年代以降、検査機器の開発等により急性脳神経疾患などにNCSEとしての昏睡状態がみられることがわかりました。最近では、過換気後遷延性無呼吸発作、突然死、認知症、さまざまな高次脳機能障害などの一部も、NCSEによることが示されました。
したがってNCSEは、生命や脳の機能に深く関係する症候性てんかん*の新しく、かつ治療が可能な状態と捉えることができます。
*脳または脳以外の障害にてんかん発作が続発した状態
発作を予防するために、薬はきちんと飲むことが重要です。
抗てんかん薬は比較的副作用が多く現れます。ときには、服薬開始して1~2カ月以後に副作用がみられるケースもあります。
服薬中に新たな症状が出たり、症状の変化がみられる場合は主治医に相談してください。
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光刺激:テレビ、映画、コンピュータなどを長時間近くで見ること(以前、アニメーション映画のポケットモンスターを見て、子どもたちがてんかん発作を起こしたことがあります)
過呼吸:スポーツなどによる息のはずみ過ぎなど
危険な場所:階段の上部、駅ホームの端など危険な場所
安易な自動車運転:(一定期間、てんかん発作がないことが必要)
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