下肢静止不能症候群(むずむず脚症候群)は、良性の病気です。日本人の約1%にみられます。

原因はまだ十分に解明されていませんが、脳内鉄代謝、神経伝達物質のドパミンを受け取るドパミン受容体、遺伝などに関連しているといわれます。

家族性の方もいる一方、血液中の鉄欠乏や腎不全の場合などによく見られます。

症状としては4つの特徴があります。①足を動かしたくてたまらない衝動と不快感がある、②安静時に悪化する、③足の運動により不快感が消失・軽減する、④夕方から夜にかけて悪化する。診断にて他の似た病気を除外する必要もあります。

症状のために不眠や日中の作業に能率低下があるようなとき、治療の対象になります。

検査では、憎悪因子となる鉄減少の有無を、血液検査で調べます。

内服治療薬がありますが、これは症状を完全に抑え込むのではなく、生活に支障がないように症状を軽減することが目的です。ライフスタイルを見直して生活上の工夫をすることが大事です。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 7~9時間の十分な睡眠をとりましょう。規則的な就寝・起床を心がけましょう。就寝前に瞑想やヨガなどでリラックスする時間を設けましょう。
  • 午前中を大切なことをする時間にあてましょう。
  • 歩行・自転車など毎日30分の中等度の運動を心がけましょう。
  • 下肢のストレッチやマッサージ、温冷シャワーによる下肢の刺激を試してみましょう。
  • 牛肉・豚肉・小松菜など鉄分の多い食材をとりましょう。
  • 夕方以降のカフェインやアルコール、タバコの摂取は控えましょう。
  • かゆみ止め、吐き気止め、抗うつ剤・向精神薬は避けたほうがよく、服用するときは医師に相談しましょう。