腰から針を刺して髄液を採取したり、髄液腔に麻酔薬などを注入することを腰椎穿刺といいます。その腰椎穿刺をした後、針穴から髄液が漏れるために頭痛が起こることがあります。これを腰椎穿刺後頭痛といいます。20~30%の人に見られます。

頭痛が続くようなときには二次検査が必要になります。二次検査の結果、髄液漏出が止まっていない場合には、硬膜外血液パッチという治療(保険非適用)が行われることがあります。

起立時に痛みが増し、横になると軽快するのが特徴です。穿刺部から持続的に髄液が漏れることにより髄液量や髄液圧が減少し、起立することで、頭蓋内の痛みを感じる組織が下方に引っ張られるためと考えられています。

頭痛はずきずきしない鈍痛で、後頭部や前頭部の両側に起こることが多いです。

通常、対症療法で1週間以内に自然に治るので心配はいりません。ただし、10%程度の症例では、3週間以上かかる場合もあります。

現在治療中の疾患がある場合や、抗凝固薬や抗血小板剤を服用しているときは、腰椎穿刺が行われる前に、必ず主治医に伝えてください。

腰椎穿刺後頭痛は起立時に起こることが特徴です。腰椎穿刺後頭痛を発症した場合には、むやみに立ち上がらずに、横になった姿勢を保ち、医師の指示に従ってください。