軽度認知障害とは、物忘れなどの機能の低下は同年代の人たちと比べて強いものの、現時点では認知症には至っていないし、その診断となる条件も満たしていない状態をいいます。

軽度認知症障害と診断された患者さんは、将来、認知症に進行する危険性が一般の人たちよりも高いといわれています。認知症の予備軍といってよいかもしれません。

認知症が疑われる症状が今後出てこないか、外来でしばらく経過を診る必要があります。認知症は早期発見、早期治療が重要です。定期的に通院するようにしましょう。

近年、認知症への生活習慣病の関与が取りざたされています。壮年期にみられる高血圧症や糖尿病、高脂血症などは認知症発症の危険因子の可能性が高いと考えられています。生活習慣病などの予防や適切な治療、社会的活動への積極的な参加、適度な運動などを心がけましょう。

生活習慣病や過剰飲酒、喫煙などはアルツハイマー型認知症などの認知症の危険因子といわれています。生活習慣病がある方はきちんと治療を受けましょう。日ごろの生活習慣を見直し、過剰飲酒や喫煙などがあれば是正しましょう。

食生活への注意も大切です。これまでの疫学的な研究から、認知症の予防効果が期待できるとされているのが、魚や緑黄色野菜、ビタミンBやCを多く含む食品です。今までの食習慣でこれらが不足している方は、意識して多く摂取するように心がけるとよいでしょう。

1日20分程度の運動を週3~4回行うのもお勧めです。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 魚、特に青み魚や野菜を十分に摂取しましょう。
  • 適度な運動をしましょう。
  • 禁煙を実行しましょう。
  • 節酒を心がけましょう。
  • 社会的な活動に積極的に参加しましょう。
  • 目的のない怠惰な生活はやめましょう。
  • 他人との付き合い、地域や社会との関わりをもたない生活を送るのはやめましょう。
  • 不規則な生活はやめましょう。