血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などにより生じた認知症です。

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症は経過にしたがって認知症症状が進行・悪化していきます。しかし、血管性認知症では、新たな脳血管障害を生じなければそれほど進行・悪化はしません。

感情に起伏がみられ、怒りっぽい・イライラする・暴言が目立つタイプと、悲観的・抑うつ状態が主症状のタイプに分かれます。患者さんの状態を見極めた対策が必要です。

思考や動作の開始や遂行に時間がかかるようになります。周囲の人には意思決定や行動開始を待つ姿勢が求められます。

自発性の低下や意欲の減退も目立ちます。家族や周囲からの積極的な働きかけが重要です。

治療は、脳血管障害の再発予防のために、脳梗塞が原因の場合は血液を固まりにくくする薬を使用します。

危険因子である高血圧や糖尿病、脂質異常症などの治療も重要です。

自分の思うように体や気持ちが働かないことが多いですが、焦らず、じっくり考えて行動するようにしましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 処方された薬はきちんと服用しましょう。
  • デイサービスなどを積極的に利用し、日常の生活能力を低下させないようにしましょう。
  • 歩行障害などが原因で転倒することが多いので、家庭内では段差をなくすなどバリアフリーを心がけましょう。
  • 塩分の過剰摂取や過食を避けましょう。
  • 過剰な飲酒や喫煙をやめましょう。
  • 寝る前に水をコップ1杯分飲むなどして夜間の脱水に注意しましょう。