脊髄小脳変性症は、一つの病気を指すのではなく、主に小脳、脳幹(脊髄の上端と脳をつなぐ部分)が徐々に障害される病気の総称です。遺伝性が約3分の1、非遺伝性が約3分の2を占めます。
病気の原因となる遺伝子の多くが既に明らかになっています。判明しているものの大部分は常染色体優性遺伝形式で、この場合おおよそ50%の割合で親から子へ引き継がれる可能性があります。これらの遺伝子の中には、国内でも測定することができるものがあります。家族や主治医とよく相談して遺伝子検査を受けるべきかを決めることをお勧めします。
障害される部分と症状によりさまざまな病型があります。小脳症状だけが起こる病型では、基本的に生命を脅かすことはありません。一方、多系統萎縮症のように広い範囲に障害が起こる病型では、数年の間に歩行障害、言語障害、嚥下障害などが進行し、介護が必要になります。
まだ根本的な治療法はありませんが、研究は着実に進歩しています。病気になって失ったものを嘆くばかりでなく、患者さん自身が前向きで有意義な生活を送る意志が重要です。身の回りのことはできるだけ自分で行い、積極的で明るい生活を送りましょう。
いびきが強い場合は、早急に主治医に相談してください。
食事でむせ込むようになったときは、食事にとろみをつけるか、少量ずつゆっくり食べるようにしましょう。むせが強くなった場合は主治医に相談してください。
立ちくらみや失神を起こすことがあります。手すりなどにつかまり、ゆっくりと立ち上がるようにしましょう。
積極的に歩くことは大切ですが、転倒に注意してください。つえや手すりを利用したり、周囲の人に見守ってもらうなどするとよいでしょう。
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