脳静脈血栓症は、脳の静脈に血に塊(血栓)ができて静脈が詰まり、脳浮腫や脳出血、さらに頭蓋内の圧が上がることによって頭痛や、麻痺や意識障害などの脳の機能障害が起こる病気です。けいれんを伴うこともあります。
主な原因は、①中耳炎、副鼻腔炎あるいは髄膜炎などの感染症、②妊娠・産褥、多血症、脱水、悪性腫瘍、凝固線溶系因子の異常などによる凝固亢進(血液が固まりやすくなっている)状態、③腫瘍による脳静脈の直接の圧迫または浸潤などです。原因がわからない場合もあります。
治療は、まず進行を止めるために血液を固まりにくくする抗凝固薬を使います。出血しやすくなるという副作用がありますが、脳出血を合併しても、積極的に使ったほうが改善するといわれています。最初は注射で治療しますが、途中で内服薬に切り替えます。治療は数カ月、あるいは長期にわたることもあります。
進行すると命にかかわったり、重篤な後遺症を残したりすることがあります。
原因となる病気に対する治療も同時に行います。
治療は3~12カ月、場合によっては長期間続ける必要があります。途中で治療を勝手にやめてはいけません。
脳静脈血栓症が原因で、将来、痙攣発作が起こることがあります。起こった場合は必ず受診してください。
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