進行性核上性麻痺は神経変性疾患の一つで、原因は特定されておらず、今のところ根本的な治療法はありません。
症状としては、パーキンソン病症状や小脳症状に似て、早くからの発語障害(しゃべりにくい)、嚥下障害、認知機能低下、眼球運動障害(下方が見にくい)などがみられます。発症の初期は転びやすく、早くからの転倒対策が必要です。
発病頻度は10万人当たり数名で、医療費公費負担制度の対象疾患です。
全経過は7~8年といわれますが、10年以上の長期の経過をとる患者さんもいます。
診断には、神経学的診察、MRIやSPECTなどの画像診断が必要です。初期診断は難しい場合があり、経過中に病名が変わることもあります。
治療には、薬物療法、運動療法、言語療法などがあります。薬物療法はパーキンソン病ほど著効が見られず、治療効果も長く続かないことがあります。
目が開けにくい場合にはボツリヌス毒素の局所注射、筋肉の緊張やバランス障害にはストレッチ運動やバランス訓練などを行います。