脊髄から出て手足や体の筋を支配する末梢運動神経や、皮膚や関節などから脊髄へ入る末梢感覚神経が障害され、2カ月以上にわたって緩慢に続く進行性、再燃性の病気です。

人口10万人に対して発症率は1.61人(2008年度厚生労働省全国調査)で、日本には、およそ2,000人の患者さんがいると推定されます。

症状としては、手足の脱力や筋力の低下が左右対称に出現します。手足のしびれやピリピリ感を伴うことがあります。

今のところ原因は不明ですが、自己の末梢神経に対する免疫異常が原因ではないかと考えられています。

慢性炎症性脱髄性多発根神経炎、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーも同じ病気です。

治療法としては、副腎皮質ステロイド薬の長期にわたる投与が必要とされます。そのため、予想される副作用への対策が重要です。

特に注意しなければならない副作用は、消化性潰瘍、うつや不眠などの神経症状(ステロイド神経病)、感染症にかかりやすくなる易感染症、高血圧、糖尿病、疲労や筋力低下を招く低カリウム血症、骨粗鬆症、無菌性骨壊死などです。

その他の副作用の症状として、満月様顔貌、顔や腹部の肥満、多毛、ざ瘡(にきび)、皮膚掻痒などがみられ、症状は軽くても苦痛に感じるようなことが多くみられます。

症状によっては、免疫グロブリン大量静注療法を選択することもあります。血液製剤を使用する治療法なので、感染症の可能性についても考える必要があります。

特定疾患治療事業なので、公費負担の対象になります。