転移性脳腫瘍とは、他の臓器の腫瘍細胞が血流にのって脳に達し、そこで大きくなった腫瘍です。

脳は頭蓋骨という固い入れ物の中にあるためスペースに余裕がなく、転移した腫瘍が大きくなると、頭蓋骨の中全体の圧力が高まり、脳全体の機能に大きな影響を与えます。

症状は腫瘍ができた脳の部位によりさまざまです。命に関わることもあります。

転位した腫瘍の成長は速いので、必要な検査を緊急に行い、適切な治療をします。

検査としては、転移巣の大きさや個数、存在部位を診断するための造影MRI、他の臓器に転移がないかを調べるための胸腹骨盤部CT検査やPET、手術に耐えられる状態かを調べる心電図、胸部X線撮影、血液検査などを行います。

治療は、手術、放射線治療、薬物療法を組み合わせて行います。

転移性脳腫瘍の治療は、中枢神経の死を予防するために行い、がんの根治のためではありません。患者さんのADL(日常の生活動作)やQOL(日常生活の質)を十分に考慮して行います。