血管に刺したままにしているカテーテル(点滴・輸血・検査などに使われる細い管)に、細菌や真菌が感染することで起きる病気です。

診断には血液培養といって、通常は菌がいないはずの血液中に細菌・真菌がいないかを培養する採血検査が必要です。

血液は全身を巡っているので、全身のほかの場所(特に心臓の中の弁や脊椎、眼、治療用などのほかの人工物)に、新たに感染症を引き起こして、合併症を誘発したり再発させたりします。

心臓の内側に細菌が感染して起きる心内膜炎などの合併症が起きていないか、必要に応じて心臓の超音波検査が行われます。場合によっては、心臓やその周りの血管の様子を調べられる経食道超音波検査が必要なこともあります。

治療では、通常、カテーテルが抜き取られます。それに加えて抗菌薬が使用されます。

熱が下がって症状が軽くなっても、菌の種類や合併症の有無などによっては決められた日数(5日~8週間以上)、抗菌薬治療が必要になることがあります

ペースメーカーなど体内に人工物をもっている方や、心臓の弁の病気のある方は、担当医にあらかじめ伝えておきましょう。

治療中や治療後、しばらくの間は合併症が現れる可能性があります。カテーテルを留置していた場所以外に、手指の先に発疹が出たり、眼の見え方がおかしいと感じたり、新たに腰痛が出るなどの症状が出た場合には担当医に相談してください。

カテーテルを抜き取らないで治療を始めた場合でも、経過が良くない場合は、カテーテルを抜き取る必要が出てきます。この場合、カテーテルを留置している部分の皮膚が赤くなったり痛みがあるなどの場合は、担当医に伝えてください。

感染したカテーテル以外にも、抗菌薬を点滴するためのカテーテルなどが留置されている周辺の皮膚についても、同じような症状が出た場合には担当医に相談してください。

長期にわたって抗菌薬を用いると、下痢などの副作用が現れることがあります。担当医と相談しながら根気よく治療を続けましょう。