蚊が媒介してデングウイルスに感染して起こる病気にデング熱とデング出血熱があります。主に熱帯・亜熱帯地域でみられますが、日本国内でも感染することがあります。

デング熱は、発熱、頭痛、筋肉痛、皮疹などの症状が現れ、ほとんどの場合、1週間以内に自然に治ります。デング熱が重症化する場合をデング出血熱といいます。

デング出血熱は、血管の中の水分が外に漏れ出たり、出血の症状が現れたりします。ときには、死に至ることもあります。

有効な抗ウイルス薬はなく、対症療法が中心です。極度の脱水状態のなっているため、入院のうえ大量の点滴を投与する治療が必要です。

症状のみで診断することは難しく、確定診断のために国の機関に検査を依頼します。結果が出るまでに1週間以上かかります。その間、血液検査、血液培養検査をし、マラリア、腸チフス、敗血症など他の病気ではないかを調べます。また、水がたまっていないか、肺炎の影はないかなどを確認するために、胸部レントゲン検査も行われます。

デング出血熱が疑われる場合は、確定診断がつく前から治療が行われます。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • デング熱に再度かかると、デング出血熱に進展する危険が高まるといわれています。次回、熱帯・亜熱帯地方に渡航する際には、DEETという成分を20%以上含有した防虫剤を使うなどして防蚊対策に努めましょう。