日本紅斑熱は、1980年代に徳島県で発見された、日本紅斑熱リケッチアという細菌により感染する風土病です。人から人への感染はありません。

感染源はダニで、細菌を持ったダニに刺されると、2~7日後くらいに発熱、皮疹、痂皮(かさぶた)、倦怠感、頭痛などを発症します。

多くの場合、2~3日で熱が下がり、ほかの症状も改善します。まれに改善するまでに1週間くらいかかることがあり、皮疹は良くなれば消えますが、かさぶたはしばらく残ることがあります。

治療には抗菌薬であるミノサイクリンやドキシサイクリンなどが使われます。

食事がとれない、ふらふらするなど、いつもと様子が違ったら、ミノサイクリン内服薬の副作用による場合があるので、再診してください。

熱が下がらない、再度発熱する、食事や水分が十分とれないなどの場合も、再診してください。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 山や畑に入るときにはディート(DEET)やイカリジンという成分の入った虫除けスプレーを使いましょう。
  • 山や畑に入るときには、長袖のシャツなどを身につけて、できるだけ皮膚の露出を避けましょう。
  • 山や畑に入ったら、必ず風呂で身体を洗いましょう。
  • 風呂に入ってもダニを洗い流せない場合もあります。からだにダニが付着していたら、感染を予防するために、ダニをつぶさず、ピンセットなどで抜くようにします。
  • 主に太平洋側の温暖な地域で発症しているので、その地域に住んでいたり、旅行した人がいつものかぜと異なる発熱があったらすぐに医療機関で受診してください。