消化管の中を通っていた食べ物や唾液などが誤って気道に入ってしまい、その結果、消化管や口腔内にある菌が肺に到達して肺炎を起こす病気です。

全身状態や基礎疾患に加えて、肺の中に膿がたまる肺化膿症などの合併症が起こるかどうかによって、治療の経過が異なります。

治療には、抗菌薬が用いられます。

発症の背景に、アルコールの多飲や脳梗塞などにより嚥下機能が低下し、誤嚥を繰り返すような状態があります。特に高齢者では、気がつかない間に小さな脳梗塞を起こすなどして嚥下機能が低下して誤嚥性肺炎を発症させることが多くみられます。

外来で内服抗菌薬を処方された場合

  • 息苦しくなる、呼吸の回数が増える、応答がおかしい、経口摂取ができないなど、大きな変化が出たときは速やかに受診してください。
  • 薬を服用してよくなってきたからといって、自己判断で薬を飲むのを中止しないでください。
  • 食事のときにいつもむせるなど誤嚥が疑われる場合は、医師に相談してください。
  • 誤嚥しやすくなるので、横になった状態での飲食はやめましょう。
  • 菌が肺に入らないように、口の中を清潔に保ちましょう。
普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 歯磨きや入れ歯の手入れなど、口腔内のケアに努めましょう。
  • 誤嚥性肺炎にかかるリスクの高い人は肺炎球菌ワクチンの接種がより奨められます。
  • 寝ながら食べるなど誤嚥を起こす可能性のある行為はやめましょう。
  • アルコールを多く飲む人はアルコールを控えましょう。