レジオネラ肺炎は、レジオネラ属菌という細菌によって起こる肺炎です。

この菌は、水中や湿った土壌などの自然環境に普通に存在しており、繁殖に適した温度は15~43℃です。循環式浴槽水、空調施設の冷却塔水、給湯器の水などの人工的な温水中に生息するアメーバなどの原虫の細胞の中で繁殖します。

打たせ湯、ジャグジー、加湿器、噴水、腐葉土などから発生したエアロゾルを吸い込むことで肺炎を発症します。

ほかの一般細菌による肺炎と同じように、発熱、咳などの症状が現れます。時には、筋肉痛、頭痛といったインフルエンザに似た症状が出ることがあります。

一般細菌による肺炎に使用される抗菌薬のうち、レジオネラ肺炎に効くものと効かないものがあるため、レジオネラ肺炎かどうかの診断が重要になります。

問診、尿検査(尿中レジオネラ抗原検査)、喀痰培養(特殊な検査が必要)などで診断します。ただし、必ずしも検査で陽性になるとは限らないので、注意深く観察することが重要です。

重症になることがあり、死亡率は5~30%といわれています。免疫が低下している人は重症化する傾向があります。

感染しやすいのは50歳以上、喫煙者、慢性肺疾患(肺気腫等)、免疫低下(悪性腫瘍、糖尿病、慢性腎疾患、免疫抑制薬使用者)などです。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 肺炎の外来診断で治療を始めた場合、呼吸困難の症状が出てさらに悪化したり、治療を始めてから3日以内に改善しない場合は、再診の必要があります。
  • 意識が低下、血圧が低い、血中酸素濃度が低い、脱水または腎機能が悪い、高齢などの項目が1つまたは2つ以上の場合には入院の必要があります。