マイコプラズマ肺炎は、主に小児や60歳未満の成人が罹患する病気です。健康人でも頻繁にみられます。

マイコプラズマはウイルスと細菌の中間に位置する病原体です。正式には、マイコプラズマ・ニューモニエといいます。

感染力が強く、発病者からくしゃみや咳などで生じる飛沫(ひまつ)を通して感染します。

感染すると1~3週間で発病し、強固な咳と発熱を中心に、頭痛、咽頭痛、鼻汁、くしゃみ、関節痛などの症状が現れます。ときに喀痰や血痰も見られます。

劇症のタイプや脳炎の併発がない限りは、一般には、時間がかかってもよくなる病気です。自宅療養と通院で治療します。

症状が強くものが食べられないときは入院して治療をすることがあります。

治療法は、抗菌薬の内服です。現在は1回だけ内服することで治療できる薬剤もあります。

ただし、最近は、薬剤の効きにくいマイコプラズマも出現しています。その場合は薬剤を変更します。重症の場合は、ステロイド薬を用いた強力な抗炎症治療を行うことがあります。

8歳未満の小児では、副作用の観点から薬剤の選択に制限があります。

通常は、治療開始後1週間以内に熱が下がり、しつこい咳が減少するなど症状が改善します。しかし、ときに1カ月くらい咳が残ることがあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 咳が残っている場合はマスクを着用しましょう。
  • 症状があるうちは無理をせず、飲酒や旅行、激しい運動は控えましょう。