百日咳は、百日咳菌による感染症です。

激しい発作性の咳が主症状で、しばしば嘔吐を伴います。

通常の感冒や気管支炎よりは症状が長く続き、病名通り、100日、3カ月ほど続くことが多いとされます。

はっきりした咳症状が出始めてからは有効な治療法はなく、症状を抑える治療もあまり効果が期待できません。

かつて乳幼児にとっては致死的な疾患でしたが、予防接種の三種混合の普及により患者数は減っています。

ただし、予防接種の効果は10年程度といわれ、最近は、効果が薄れてきた成人に発症し流行する傾向があります。

検査は、鼻の奥の粘膜を採取して培養し、菌が検出されれば診断は確定します。これだけで診断が難しい場合は、血液検査や遺伝子検査で診断をつけます。その他、肺炎を併発していないかを調べるための胸部X線検査や、腎機能検査も行います。

治療には抗菌薬が処方されます。抗菌薬を服用して5日たつと伝染力がなくなるといわれます。登校や登園、出勤は6日以降になります。

予防接種をしていない乳幼児は伝染する恐れがあるので、家族が感染した場合、その家族は、子どもから離れて生活する必要があります。

感染している人は、外科用マスクを着用します。くしゃみや咳をするときはハンカチで口を覆い、その後は流水とせっけんで手を洗い殺菌します。

抗菌薬の内服によって、下痢などの消化器症状、皮膚の変化、発熱が生じた場合はすぐに受診しましょう。

呼吸困難や意識の低下がみられたときは重症の可能性があるので、緊急に受診しましょう。