胸膜炎とは、肺の周りを包んでいる胸膜に炎症が生じる病気です。

症状としては、肺の周りに水がたまり(胸水)、息切れ、呼吸困難、咳、胸の痛み(とくに深呼吸をしたときに強く感じる)が見られます。

原因はさまざまで、ウイルス感染症、肺炎、結核、悪性腫瘍、肺動脈に血の塊が詰まる肺塞栓症(はいそくせんしょう)などが考えられます。

原因によって治療法が異なるので、検査による原因の究明が大事です。

検査としては、胸部X線検査、超音波検査などを行い、胸水の量を確認したうえで、針で水を抜き原因を突き止めます。

ウイルス感染症の場合は、自然に軽快する可能性があるので、症状が軽いようなら痛み止めを服用して様子をみます。1週間後に再受診します。

肺炎の場合は、重症度によって外来治療か入院治療かを決定します。外来治療の場合は抗生物質を服用し、1週間後に再受診します。

結核の場合、痰から結核菌が見つかるようなときは結核専門病院に入院します。それ以外は、症状の強さで入院か外来治療かを決定します。治療には、抗結核菌薬を内服します。飲み忘れはくすりの効かない耐性菌ができる理由になるので注意しましょう。

悪性腫瘍の場合は、入院して詳しい検査をします。

肺塞栓症の場合は、急に血圧が下がり、ショック状態になることもあるので、入院して治療します。