慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、主に喫煙が原因で肺に炎症が起こる病気で、世界の病気別死因の第4位になっています。

喫煙者のCOPD発症者は年齢が上昇するにつれ増加し、現在、罹患率は増大しています。

診断は、スパイロメトリーという機器を使用して、肺活量や換気量を調べる検査により確定します。

喫煙歴がある中高年者で、慢性の咳や痰、労作時の呼吸困難がある場合には、慢性閉塞性肺疾患が疑われます。

典型的な症状としてはビール樽のような胸の形をした胸郭前後径の拡大や、口すぼめ呼吸などがあげられますが、必ずしもこれらの症状が見られないこともあります。

禁煙が、慢性閉塞性肺疾患の進行を効果的に抑えます。すぐに禁煙しましょう。

症状を緩和するために、気管支を広げて呼吸を楽にする薬などが用いられます。

内服薬は副作用がない限り、継続して服用する必要があります。症状の進行によって新たに薬を加えることもあります。

高齢の慢性閉塞性肺疾患の患者さんは風邪をひくと呼吸不全に直結することがあります。インフルエンザワクチンを毎年接種し、風邪をひいたときは必ず医療機関を受診して迅速に対応しましょう。

心筋梗塞、狭心症、骨粗しょう症、呼吸器感染症、うつ病、糖尿病、肺がんなど、いろいろな病気を伴っていることが多いので、慢性閉塞性肺疾患と診断された場合は、必ず受診を継続しましょう。