サルコイドーシスは、種々の臓器に肉芽腫と呼ばれる小さな塊状の病変ができる病気です。
原因は明らかになっていませんが、免疫系の微妙な変調が関与していると推測されています。ただし、感染に弱くなるわけではありません。
病変は体のどこにでも起こりますが、最も多いのは肺(90%)で、これを肺サルコイドーシスといいます。
サルコイドーシスは、類上皮細胞肉芽腫という組織所見を確認することで診断されます。そのために、肺などの組織を取って調べます。
サルコイドーシスでしばしばみられる肺以外の症状として、皮疹や視界に小さなゴミのようなものが見える霧視(むし)などがあります。まれに、神経病変によるしびれや心臓病変による不整脈をみることもあります。肺以外に病変があるときは、それぞれの専門科で検査する必要が生じてきます。
サルコイドーシスは自然に治る可能性のある病気です。著しい症状がなければ、6カ月程度、経過をみます。
呼吸困難などの症状がある場合は、副腎皮質ホルモン薬を用いた治療が必要です。
かぜなど呼吸器系の感染症にかからないようにしてください。帰宅時などにうがいや手洗いを励行しましょう。
発熱があったり息切れが強まったりしたときは受診してください。
皮膚や眼に症状が現れたり、不整脈が起こったときは主治医に連絡してください。