リンパ脈管筋腫症(LAM)は、異常な平滑筋様細胞(LAM細胞)が、肺、リンパ節、腎臓などでゆっくりと増えてくる全身性の病気です。多くは妊娠可能な女性に発症するといわれます。特定疾患の一つです。

急速に呼吸不全が進行する場合がある一方で、緩やかに進行し、治療しなくてもすむ場合もあります。

予後は、従来は診断後の生存期間は10年といわれていましたが、現在は長期生存が可能な疾患とされています。

まだ治癒させる治療法は確立されていませんが、病勢を安定化、あるいは進行を遅らせる治療法、また、気管支拡張剤、呼吸リハビリなどにより病状を軽減する治療法もあります。

気胸(空気が肺以外の胸腔に入り込んだ状態)、乳び漏(脂肪球を含むリンパ球が胸腔に入った状態)、リンパ浮腫などの合併症がある場合には、それぞれの合併症に対する治療を追加します。

突然、胸痛や呼吸困難などの症状が出たら、気胸の可能性があるので速やかに受診してください。

病状がなくても定期的に肺機能検査や画像検査を行ってください。

妊娠を希望する場合には前もって医師に相談してください。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 適度な睡眠、ストレス解消を心がけましょう。
  • 多くの場合、特別食は必要ありませんが、骨密度を維持するのに有効な脂肪分の少ないタンパク質、カルシウムが豊富な食事をとり、糖分は控えましょう。
  • 乳び胸水や腹水を合併している場合には、低脂肪食にする必要もあります。
  • 喫煙はやめましょう。
  • 水中で気胸になる可能性があるので、ダイビングは避けてください。