特発性細菌性腹膜炎は、消化管穿孔(消化管に孔があくこと)や急性虫垂炎の破裂などで感染した場合以外の腹膜炎をいいます。
進行した肝硬変の合併症として起きることが多く、肝硬変で入院した患者さんの約12%に見られます。
肝硬変に合併して発症すると、1年以内に再発する率は70%、1年生存率は30~50%、2年生存率は25~30%です。
特発性細菌性腹膜炎にかかった方、より進行した肝硬変の方、肝硬変があり消化管出血をした方は、抗菌薬を服用することで特発性細菌性腹膜炎を含む感染症の発症率および死亡率を下げることができます。
肝硬変で腹水の症状がある方は、定期的に体重を測定してください。
塩分の制限(1日5g以下が目安)を指示された場合は、それを守ってください。
利尿薬は指示されたとおりに使用してください。
適度な運動を行いましょう。
高度な低ナトリウム血症がなければ、水分を制限する必要はありません。
特発性細菌性腹膜炎にかかると再発しやすくなります。発熱、腹痛、意識障害、下痢、腸閉塞、血圧低下、低体温などの症状が現れたときは、速やかに医療機関を受診してください。
肝性脳症、消化管出血、腎機能障害の進行、腹水の急激な増加は、特発性細菌性腹膜炎の発症につながる恐れがあります。その可能性がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。