食道のいちばん下と胃とのつながり部分は、普段は閉じていますが、食事をとると緩み、食物を通します。食道アカラシアは、この部分が閉じたまま緩まなくなり、食道の正常な運動が障害される病気です。

食物が胃内へ降りていかずに食道内にたまるので、ものが飲み込みにくくなったり、つかえ感が出たりします。食物が逆流して気管に入り肺炎を起こしたり、食事がとれないために体重が減少したりすることもあります。

食道がんの発症率が、正常な場合に比べて少し高まります。

治療には、筋肉の緊張を解く薬物療法、風船を挿入して膨らませ筋肉を伸ばす内視鏡的バルーン拡張術、内視鏡を用いる、もしくは腹腔鏡下の手術で、筋肉の一部を切って緩める手術療法があります。患者さんの希望も考慮して選択します。

内視鏡的バルーン拡張術、手術もしくは内視鏡を用いた筋層切開術には同等の効果がありますが、長期的な効果には差がある可能性があります。

症状が再発することがあるので、食べ物のつかえ感などを感じたら早めに受診しましょう。

食道がんの早期発見のために年1度がん検診を受けましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 食事はよくかんで食べ、なるべく水分と一緒に摂取しましょう。
  • 食後の誤嚥を避けるため、寝る前の食事はやめ、夕食は早めにとりましょう。