機能性ディスペプシアはこれまで、慢性胃炎という診断名でした。胃の検査をしても異常が見つからないのに、胃の症状がある病気です。これは胃の機能(働き)に異常があるからとみられます。
胃の主な働きは、胃酸を分泌する、食物を砕く運動をする、知覚する、の3つですが、胃酸が出過ぎたり、胃の運動が障害されたり、知覚が過敏になったりして症状が現れると考えられます。
ストレスや精神的・心理的な原因で引き起こされることがあり、症状が強くなることがあります。
治療法としては、薬物療法、運動や食事による生活習慣の改善、ストレスをコントロールする心療内科的治療があります。
薬物療法では、酸分泌抑制薬や消化管運動機能改善薬などが主として使用されます。漢方薬やピロリ除菌、抗不安薬、抗うつ薬の有効性も報告されています。
薬が合わないときは、医師に相談しましょう。内服は1~2カ月が目安です。症状がすっかり取れた場合には薬を中止してもかまいませんが、再発したときは再度、受診しましょう。