胃・十二指腸潰瘍は、胃酸により胃や十二指腸の粘膜がえぐられて潰瘍を形成する病気です。長期にわたり再発を繰り返します。

通常は心窩部(しんかぶ:上腹部)の痛みから始まりますが、吐血や下血を起こすこともあり、またまったく症状がない場合もあります。

潰瘍から胃がんに進展することはありませんが、胃がんが潰瘍を併発していることはあります。

原因の多くはピロリ菌感染か、鎮痛解熱剤・アスピリンの服用とされます。

診断には、がんとの鑑別をするためにも、内視鏡検査が必要です。さらにピロリ菌感染のチェックにより確定します。

酸分泌抑制薬で潰瘍治療をすることはできますが、再発の予防には原因に対する治療が必要です。

ピロリ菌感染チェックで陽性の場合は、ピロリ菌の除菌を行います。原因が取り除かれれば再発予防のための薬物治療は不要です。

除菌が成功し、潰瘍の再発がなくても、胃がんのリスクは高いので、定期的に内視鏡検査を受けましょう。

鎮痛解熱剤・アスピリンは潰瘍の原因となるので、内服するときはPPI(胃の分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬)を服用します。