胃ポリープは、胃の粘膜細胞が増殖した結果、カリフラワーやドームのように盛り上がった状態になったものをいいます。
胃もたれや不快感、食欲不振などの症状が見られることがありますが、これは同時に発症している慢性萎縮性胃炎によるものです。また、ポリープが複数になったりして巨大化すると出血を繰り返し、鉄欠乏性貧血を起こすこともあります。
胃ポリープは、大きく胃底腺ポリープと胃過形成性ポリープに分けられます。これといった自覚症状はなく、いずれも健康診断のときに発見されることが多い病気です。
検査では、上部消化管内視鏡により、生検検査を行い、胃ポリープのタイプを鑑別し、治療法を決定します。ピロリ菌や鉄欠乏性貧血を伴っていることもあるので、ピロリ菌感染検査や採血検査なども行います。
胃底腺ポリープはがん化することがほとんどないので、経過観察する必要もありません。
胃過形成性ポリープは、ピロリ菌が感染していることが多く、感染が陽性の場合は除菌をします。平均して7カ月後には約80%のポリープが消失します。
除菌して1年が経過しても、胃過形成性ポリープが縮小も消失もしない場合は、内視鏡手術でポリープを切除します。また、胃過形成性ポリープから出血を繰り返す場合も、内視鏡手術でポリープを切除します。
ポリープの切除は出血や穿孔(孔があく)の危険性を伴うので、短期間の入院が必要です。