胃がん、胃潰瘍などの切除手術を受け、胃がなくなったり、小さくなった人が術後に起こす様々な症候群をいいます。食事が少ししか入らない、すぐにお腹がいっぱいになる、そのために体重が減少するなどの小胃症状もその一つです。

胃を切除したために食物が一度に腸へ流れ込むことによって起きる、発汗、めまい、脈拍の上昇などの不愉快な症状をダンピング症候群といいます。

手術後に腸が狭くなったりして腸閉塞が起きやすくなります。また、食道内へ胃の内容物が逆流する逆流性食道炎もみられます。

胃切除後の不都合の中には薬や食事の工夫により改善されるものもあります。

貧血など自覚症状が出にくい病態もあるので定期的に検査を受けましょう。鉄剤やビタミンB12で改善される貧血もあります。

腹痛があるときは腸閉塞の可能性もあるので、腹部レントゲン、腹部CTなどで診断します。

腸閉塞が疑われる場合は、入院して絶食と点滴で様子を見ます。緊急手術が必要な場合もあります。術後長年経過していても腸閉塞になる場合もあります。

胃が残っている場合には、1年に1度内視鏡検査が必要です。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 少量ずつ何回にも分けて食事をとるようにしましょう(1日6回食程度)。
  • ゆっくりよく噛んで食べましょう。
  • お酒は少量なら飲んでも構いませんが、ビールのようにお腹の中で膨らむものは避けましょう。
  • 禁煙しましょう。
  • 食事を十分にとれず、体重が減少するようなら、食事指導を受けましょう。
  • 腹痛、嘔吐など特別な症状が出たら、すぐに受診してください。