潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる炎症性の疾患です。

症状は、血便を伴う、あるいは伴わないこともありますが、下痢と腹痛です。

原因ははっきりしていません。腸内細菌の関与、免疫の異常、食生活の変化などが考えられます。遺伝的要因と環境的要因が複雑に絡み合って発病するとみられます。

発症年齢は20歳代がピークですが、若年者から高齢者まで発症します。平成24年度の国内患者数は約14万人といわれ、年間約10,000人の増加がみられます。

診断をつけるためには、感染症との区別のための問診と、内視鏡による大腸検査が必要です。

寿命は健常者と変わらないといわれます。

再燃の最大のリスクは服薬アドヒアランスの低下であり、しっかりとした服薬指導が重要です。

現在、完治できる治療法はありません。しかし、大腸の異常な炎症をおさえ、症状をコントロールする薬が出ています。薬剤には、5‐アミノサルチル酸製剤、副腎皮質ステロイド、免疫調節薬などが使用されます。

多くは薬による内科治療によって症状をコントロールします。しかし、手術が必要になることもあります。

症状が消えても(寛解)、再発を繰り返すことが多く、寛解を維持するための治療がその後も続きます。

炎症の範囲が広い場合、8年たったころに大腸がんの危険が高まります。定期的に内視鏡検査を受けましょう。

服薬の中断で多くの場合再燃するため、しっかりした服薬が大事です。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 規則正しい生活をしましょう。
  • 暴飲暴食を慎みましょう。
  • 過労や睡眠不足を避けましょう。
  • ストレスを回避しましょう。