腸管ベーチェット病は小腸や大腸に円形の深い潰瘍を形成する疾患です。腹痛、下痢、体重減少、発熱などの症状を呈します。

口内炎や眼の症状、皮膚症状、陰部潰瘍などを合併することがあります。

原因は不明な点が多いですが、遺伝性や感染性によるものではないので、お子さんに遺伝したり人にうつったりする病気ではありません。なんらかの免疫異常が関係していると考えられているため、免疫を調節する治療法が有効なことが多いです。

慢性に経過したり、症状を繰り返すこともあるので根気よく治療を継続することが必要です。

症状と画像検査により診断を行います。潰瘍を形成している部位や潰瘍の程度を同定するために大腸内視鏡や注腸造影検査を行います。また体内の炎症反応を知ることにより重症度が判定できることもあるので定期的に採血を行うことが大切です。

治療は主に薬物療法を行いますが、症状や病変の重症度により治療法を決定していきます。症状が重症である場合は入院をして治療することもあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 症状が安定するまでは2週間程度ごとに外来通院を行い、薬剤の量・種類を調節します。特にプレドニンという薬剤を使用する場合にはこまめに投与量を漸減する必要があるため、治療初期は1週間程度の間隔で通院する場合もあります。
  • ステロイドの投与量が多い場合、全身の症状が強い場合は入院して治療を行う場合もあります。
  • 腹痛が強いときは緊急な対応が必要な場合があるので早めに受診をするようにしてください。