食物以外の異物を誤って口から摂取することを誤飲といい、異物が食道・胃・腸など消化管に停留する状態を消化管内異物といいます。

多くの場合は誤飲によるものですが、まれに意図的に飲み込まれたり、肛門から挿入されたりするものもあります。

乳幼児の場合は、手に触れるものを何でも口にもっていくことがあり、身近にある硬貨や磁石、ボタン電池、遊具などが誤飲されやすいといわれます。

成人では、高齢者や精神疾患患者、歯科治療中、飲酒による酩酊状態の人などに多く、薬の包装シート、魚の骨、入れ歯などの誤飲が多いとされます。

異物を誤飲してしまった場合や誤飲が疑われる場合は、速やかに医療機関に問い合わせ、受診しましょう。

消化管内異物は自然排出されることが多いのですが、異物によっては内視鏡や手術によって摘出されることもあります。

中には消化管粘膜を損傷し、孔があき、周囲へ炎症が波及したり(縦隔炎・腹膜炎)、気道・血管に突き刺さったりして、集中治療が必要になることがあります。

受診の際に誤飲したと思われる同じものを持参すると、異物の大きさや形、材質などがわかり、診断・治療に役立ちます。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 硬貨や電池、磁石など口に入るものは子どもの手の届くところに保管しないようにしましょう。
  • 子どもに与えるおもちゃは安全なものを選択し、細かい部品がついているものを与えないようにしましょう。
  • 成人では、他の用事をしながら、薬でも食べ物でも口に物を運ばないようにしましょう。
  • 骨のある魚は注意して口に運び、入れ歯も外れないようにきちんと固定しましょう。