食中毒は、飲食にともなって有害物質が体内に入ることにより生じる病気です。
症状としては、腹痛や下痢、吐き気や嘔吐などの消化管の症状のほか、頭痛、発熱などが現れることもあります。
原因は、主に腸内ビブリオやサルモネラ、黄色ブドウ球菌などの細菌や、ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスです。それ以外に、フグやキノコなどの自然毒や、農薬や貴金属に含有される化学物質で起きる場合もあります。
細菌性の食中毒は夏に多く、ウイルス性の食中毒は冬に多くみられます。
食物を口にして数時間以内に起きる食中毒は、食べ物に毒素が付着していた可能性が高いといえます。
数時間を過ぎて食中毒の症状が出るのは、食べ物の中に入っていた菌やウイルスが腸内で増殖して食中毒が起きたと考えられます。
治療の基本は、水分の摂取と点滴による電解質の補充です。下痢止めは毒素や菌の排出を遅らせるので処方しません。
ウイルス性はもちろん細菌性食中毒では抗菌薬はほとんど効きません。ただし、乳幼児や高齢者、持病があるような人には抗菌薬を投与します。発熱、腹痛、嘔吐などの症状が重い場合にも抗菌薬を投与することがあります。
発熱、嘔吐などで脱水症状がひどく、口から水分が摂取できないときは入院が必要です。