ガストリノーマは、神経内分泌腫瘍と呼ばれる腫瘍の一つです。主に、膵臓と十二指腸にでき、腫瘍がガストリンというホルモンを多量に産生することから、ガストリノーマと呼ばれます。
MEN1という遺伝性腫瘍の一部としてガストリノーマができるとされます。
症状は、胃酸などの分泌が促され、難治性の潰瘍ができ、腹痛や下痢などがみられます。潰瘍がひどくなると、出血したり、胃や十二指腸が破れて穿孔性腹膜炎を起こしたりすることがあります。
通常の潰瘍とガストリノーマが原因の潰瘍かの鑑別は難しく、血液検査や画像検査で詳しく調べて診断する必要があります。
ガストリノーマは、悪性腫瘍なので、放置すると肝臓やリンパ節に転移して、命にかかわるようなこともあります。
治療法は、ガストリノーマを切除することです。これにより完治することもあります。
潰瘍に関しては、薬により胃酸を抑え、潰瘍による合併症を防ぎます。
潰瘍の症状が改善されないときは胃の摘出手術を行います。