食道・胃静脈瘤とは、食道や胃の入り口付近の胃噴門部の血管が瘤(こぶ)状になる病気です。
慢性肝疾患、とくに肝硬変症の進展した人に見られる慢性進行性の病気です。血液の流れの異常により門脈圧が上昇し、血液が肝臓に入り込めないので食道下端の静脈に流れ、瘤を形成します。
一般に無症状です、静脈が破裂すると出血し、吐血や下血、貧血を起こします。
慢性肝疾患、とくに肝硬変症の場合は上部消化管内視鏡検査を受け、静脈瘤の状態を観察する必要があります。
検査により静脈瘤の状態が中等度以上の場合は出血の可能性があるので、内視鏡による食道内の予防的治療を行います。
門脈圧を下げる薬物療法を行うこともあります。
生活面では、慢性肝炎や肝硬変症が進行しないように生活習慣を改善し、服薬を守りましょう。
静脈瘤が見つかった人は半年に一度、上部消化管内視鏡検査を受けましょう。
経過中、静脈瘤が中等度以上になったら専門医と治療の相談をします。消化管出血が見られたら速やかに受診しましょう。