肝硬変は、肝臓に炎症が起こり、それが修復していく過程で、壊れた肝細胞を埋める線維が増えてたまり、肝臓が硬くなる病気です。
原因は、ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害、脂肪肝、自己免疫の異常などいろいろな場合があります。
肝がんの発症リスクが高まります。
肝硬変には代償期と非代償期があります。
・代償期は、肝硬変になっても残っている細胞がカバーして症状がほとんどみられない時期をいいます。日常生活をほぼ問題なく過ごせます。
・非代償期は、肝硬変が進行して、皮膚や白目が黄色くなる黄疸、浮腫(むくみ)、お腹に水がたまる腹水、眠気や興奮、異常行動などを伴う肝性脳症などの症状が出現する時期です。日常生活が制限されます。
原因を特定して、原因に対する肝臓の治療を行います。
肝臓の線維化に対する治療法は今のところありませんが、肝細胞を保護し、肝機能を改善させるための製剤投与による肝庇護療法が行われることもあります。
腹水、肝性脳症、肝がんなどの合併症が起きるときは、それぞれの症状に対して治療が行われます。
定期検査では、1~3カ月に1度、血液検査と画像検査が行われます。肝がんを合併しているときは3~6カ月に1度、造影剤を使ったCT/MRIまたは腹部エコー検査が行われます。
合併症が生じたり、外来での内服による治療だけで病態の進行のコントロールができなかったりした場合には入院が必要です。