薬物性肝障害とは、薬によって肝臓の細胞(肝細胞)が壊れたり、胆汁の流れが悪くなる(胆汁うっ滞)ことで肝障害がでていることを言います。

原因となるのは薬(医薬品)だけではありません。健康食品・サプリメントや漢方薬なども原因となることがあります。

特徴的な症状はありませんが、食欲の低下、倦怠感、発熱や黄疸などがみられることがあります。また、皮疹を伴うこともあります。

投与した量が多い時に肝障害が出現する場合(中毒型といいます)、薬に対してアレルギーを生じている場合、お薬を代謝する酵素などの個人差により生じる場合があります。

病状には主に肝細胞が主に壊れるもの、胆汁うっ滞を示すもの、その両者が混在するものの3つがあります。

薬以外に肝障害の原因がないか、血液検査や画像検査(腹部エコー検査やCT検査など)を行って調べます。

治療はまず疑わしい薬を中止することです。

原因と考えられる薬を中止することで、特別な薬なしでほとんどの方が良くなります。

自覚症状が強い場合や、黄疸がある場合、血液検査で肝臓の数値(ASTやALTなど)が高い場合には入院して経過をみることがあります。

薬を中止しても肝臓の機能が悪くなる場合は、肝臓の治療を専門的に行っている医療機関での治療が必要なことがあります。

原因と考えられる薬は、今後避けてください。

おくすり手帳などに原因と考えられるお薬の名前を記入して、新しくお薬をもらう時に医師や薬剤師に確認してもらってください。