急性肝炎としては、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎のほかに、D型肝炎、E型肝炎、EBV、CMVなどの肝炎があります。

D型肝炎を起こすウイルスは単独では増殖できません。通常はB型肝炎ウイルスと共存し、B型肝炎を発症したあとにD型肝炎を発症します。一過性のものと持続感染により肝硬変へと移行するものとがあり、見極めが大事です。

E型肝炎は、E型肝炎ウイルスに汚染された食べ物や飲み物により感染し、一過性の肝炎ですが、重症化することがあります。東日本に多く、40~60歳代の男性に見られます。

EBウイルス感染症は、20歳前後の若者に多く発症し、発熱、咽頭炎、全身リンパ節腫脹、肝脾腫大などの症状がみられます。一過性の感染です。

サイトメガロウイルス感染症(CMV感染症)は、感染しても症状があまり現れません。

急性肝炎は、一般に経過は良好ですが、中に一部重症化、劇症化して、命に関わるものがあります。中には肝臓移植が必要になるものもあります。その頻度は1~2%です。

黄疸や倦怠感、食欲不振、嘔気・嘔吐などの症状があり、急性肝炎または急性の肝臓障害と診断されたときは、入院して観察・治療する必要があります。

多くの場合、急性肝炎や肝障害は、原因が除去されれば自然に治ります。ただし、病気の進行度を見定め、回復期に移行したことを確認することが大事です。

治癒と判断された場合は、その後、再燃・再発することはありません。