女性のがんのなかでも罹患率の高いがんですが、子宮頸がんで死亡する率は年々減少しており、治りやすいがんとみられます。しかし、20~30代の若い世代の罹患率は減っていないことが問題になっています。

子宮頸がんの多くは子宮を覆っている扁平上皮細胞にできるがんで、原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)の持続的な感染です。

リスク因子としては、初回性交渉年齢の低下、喫煙、多産、経口避妊薬の使用、性交渉パートナーが多い、クラミジア感染などがあげられます。

自覚症状としては、不正性器出血、接触出血、帯下(おりもの)などがありますが、初期には多くが無症状です。

検査は、子宮頸部の細胞を採取して顕微鏡で調べ(子宮頸部細胞診)、コルポスコピー(拡大鏡)を用いた生検により確定します。必要に応じて子宮頸部の円錐切除生検を行います。

早期発見には子宮頸部細胞診を行う子宮頸がん検診の受診が最も有効です。現在、受診率は20%程度で、欧米に比べて低いのが問題です。なお、20歳以上では2年に1度の子宮頸がん検診を受けましょう。

不正性器出血や帯下の増加、悪臭、腹部膨満、腹痛、疼痛などがあるときは検診を待たずに受診しましょう。

子宮頸がん発症の予防にはHPVワクチンが有効であることが知られています。性交渉前の12~16歳での接種が最も有効ですが、性交渉後での効果も期待できます。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 禁煙しましょう。
  • 便秘にならないように緩下剤などを使用し、適切な排便を促しましょう。
  • 規則正しい生活を心がけましょう。