骨髄異形成症候群は、血液をつくっている造血幹細胞の異常が原因で起きる病気です。血液細胞が減少することで発熱、感染、出血などさまざまな症状が出てきます。一部の患者さんではやがて白血病に移行することがあります。

高齢者に多い病気です。また、がん治療の化学療法や放射線照射の副作用として発症することがあります。

診断を確定するためには、血液検査と骨髄検査が必要です。骨髄検査は痛みを伴いますが、病気の診断には欠かせません。同時に、細胞の染色体や遺伝子検査も行われます。

経過を十分に観察する必要もあり、通院しながら、繰り返し検査を行います。

治療法としては、造血幹細胞移植、脱メチル化薬、レナリドミド、抗がん剤治療、造血幹細胞を攻撃するリンパ球を抑える免疫抑制治療、造血を刺激するサイトカン療法などがあります。加えて、輸血、感染症の治療などの支持療法を行います。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 感染症を予防するために、手洗い・うがいを励行しましょう。
  • 感染症を疑わせる発熱などの症状が出たときは担当医にすぐに相談しましょう。
  • 出血しやすい状態にあります。皮膚に出血斑が出たり、歯肉出血、鼻出血などがみられ、なかなか出血が止まらないときはすぐに受診しましょう。