急性骨髄性白血病は血液のがんです。骨の中の骨髄という場所にある造血幹細胞が成長する過程で遺伝子異常が起こり、これががん化の原因になって正常な機能をもたない血液細胞もどき(白血病細胞)が異常に増えて、正常血液細胞がほとんどつくられなくなる病気です。

症状には、正常血球が減少するために起きるものとして、貧血による疲れやすさ・息切れ・動悸、正常白血球減少による発熱、感染症、血小板減少による出血症状などがみられます。また、白血病細胞が増えるために起きる症状として、骨の痛み、歯肉腫脹、肝臓や脾臓の腫大などがみられます。

年間の新規急性骨髄性白血病(AML)の患者数は約7,000人で、人口10万人あたり男性5.9人、女性3.8人が発症します。成人急性白血病の75~80%を占め、高齢者ほど発症率が高くなります。

血液検査と、骨髄液や骨髄組織を調べる骨髄検査により診断の確定ができ、治療方針が決まります。

心電図検査や心エコー検査、肝機能や腎機能検査を行い、治療に耐えられるかどうかを評価します。また、治療後の骨髄抑制時に歯は感染の原因となるため、治療前に歯の状態を口腔外科の先生に診てもらいます。経過中に発熱などの感染症状がみられた場合には、血液、喀痰、尿培養などを行い、原因菌を同定します。また、必要に応じてCT検査などを行います。

検査後、出血、発熱などの症状がみられるときは、次の受診日を待たないで、早めに受診しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 免疫力が低下しているため、感染症を併発しやすいので、外出時にはマスクを装着し、帰宅時には手洗い、うがいを必ず行ってください。