急性リンパ芽球性白血病は、骨髄で、前駆(ぜんく)B細胞、前駆T細胞といわれる白血病細胞ががん細胞として増殖する病気です。白血病細胞の種類や分化の状態などからさまざまな病型に分類され、予後は病型によってかなり異なります。

診断時にはすでに全身に白血病細胞が広がっているため、速やかに入院して治療を始めます。

乳児から高齢者まで幅広く発症しますが、それぞれの病型の発症頻度は年齢との関係がみられます。概して小児では予後が良い病型が多く、高齢者では予後が悪い病型が多いといえます。

予後は年齢のほか、診断時の白血球数、免疫の形質、細胞の遺伝学的所見、抗がん剤投与により骨髄や採血データが正常化する寛解に至るまでの期間などが関係してきます。

検査では、血液検査、末梢血液像、骨髄検査により、白血病細胞を採取し、病型を割り出します。同時に、染色体・遺伝子検査を行って特徴的な遺伝子の有無を調べます。また、腹部・胸部・頭部の画像診断により合併症の有無をみます。

病原菌への抵抗力がなく感染症の合併頻度が高いので、喀痰(かくたん)・血液・尿などにより病原菌の有無を調べます。

中枢神経に白血病細胞があるかどうかを調べるために腰椎に針を刺して検査する腰椎穿刺(ようついせんし)を行うこともあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 感染症予防のため、手洗い・うがいの励行、規則正しい生活を心がけましょう。
  • 定期的に血液検査と骨髄検査を受けましょう。
  • 発熱、頭痛、全身倦怠(ぜんしんけんたい)などを自覚したときは、次の診察を待たないで早めに受診しましょう。